Column 住まいのコラム

Vol.11

2015年7月15日

『「和」を取り入れた住まいを愉しむ』

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Vol.11

『「和」を取り入れた住まいを愉しむ』

2015.11.6up

世代を問わず人気を集める「和モダン」のデザイン

和モダン

子育て世代からシニア世代の住宅まで手がけるポラスでは、建築実例ランキングを実施しています。デザインテイストでは、『和モダン』が「こだわり・テーマ」と「外観」部門で上位にランクイン。モダン系やナチュラル系、和風、洋風などのデザインテイストで大別されることが多い現代住宅のなかで、和でも洋でもないシンプルなデザインをベースとしながら「和」の雰囲気も持ち合わせる佇まいに、住まい手の関心が向いているようです。

そこで今回は、世代を問わず支持される『和モダン』の魅力について、ポラスの注文住宅実例を参考にしながら探求していきましょう。

和風と和モダンのデザインって何か違うの?

和風あるいは和建築の住宅というと、一般的には木の柱と梁による伝統的な軸組工法を用いて、寄棟や切り妻屋根などに和瓦を葺いた姿が思い浮かびます。

和風と和モダンの違い
▲A邸:自然公園を背景に暮らす家

その系譜は、床の間ほか座敷飾りの源流を備えた銀閣寺東求堂に見る書院造りや、その後に発展した修学院離宮などの数寄屋造りに辿ることができます。しかし、和モダンはそうした和建築とは趣が異なります。

ここで実例を見てみましょう。ポラスの注文住宅で建てたA邸では、タイル貼りの床にモダンな家具を合わせたリビングの一画に、小上がりの畳間を設けています。掘りごたつや飾り障子のある4畳半は落ち着ける雰囲気。

和のエッセンス
▲B邸:格子戸が土間と庭を繋ぐ住まい

一方で、デザイン面では「和」の意匠が際立つのを避け、小上がりの木部や造作のこたつ机などをグレイッシュトーンで統一し、リビングのモダンな雰囲気との調和をはかっています。

また、B邸は、ダークグレーのシンプルな外観に木の格子を合わせることで、モダンと和が融合したデザインを実現しています。

また、外観は現代の街並みに調和するシンプルなデザインを採用し、内装に和の意匠を取り入れるといった家づくりも、様式にこだわらない和モダンなら無理なく実現できます。

シンプルな現代住宅に和のエッセンスをプラスする

実例を見ると、和モダンとは過度の装飾を避け、機能性を求める現代のシンプルな住宅に和のエッセンスをプラスするスタイルであることがわかります。そのデザインは様式などの型にはまったものではなく、住まい手の好みやライフスタイルが反映され、日頃の手入れのしやすさなども考慮されたもの。

たとえば、ソファやダイニングセットのあるLDKに適度な明かり取りと視線のコントロール、断熱性能を求めて障子を合わせたり、壁の一部を彩のある漆喰調の塗料などで仕上げて、床の間代わりのデザインウォールに仕立てたりするアイデアも、和モダンのスタイルだといえるでしょう。

しかし、和のデザインを盛り込みすぎたり懲りすぎたりすると、現代の暮らしや街並みの中では、ちょっと浮いた存在となり使いづらいということも。「和」を取り入れるときのポイントは、和モダンと相性の良いシンプルな住空間をベースにすること。盛り込み過ぎず、アクセントになるよう全体とのバランスを見ることが大事になります。

自然公園を背景に暮らす家
▲A邸:自然公園を背景に暮らす家

また、A邸のようなリビングに隣り合う畳のコーナーは、小さなお子さんが座って遊べたりお昼寝スペースにもなったり。引き戸やスクリーンで仕切れば客間になるなど、多目的な空間として活躍します。もともと、襖の開閉で小部屋にも大広間にもなるなど可変性が特徴ともいえる和の空間づくり。和モダンとしてそのエッセンスを取り入れた時にも、デザイン性はもとより機能性を求めることができるのです。

長く住む家だからこそ、飽きのこない落ち着いた雰囲気に

格子戸が土間と庭を繋ぐ住まい
▲B邸:格子戸が土間と庭を繋ぐ住まい

気分によって着替える服とは違い、住宅は気軽に変えることはできません。長い間住み続けることを前提とする住まいでは、飽きのこないデザインであることが重要です。デザインの好みは十人十色ですが、落ち着きのあるデザインは若い世代にもシニア世代にとっても受け入れやすいのではないでしょうか。和モダンの人気は、そうしたデザイン志向に合ったものだと言えそうです。

実際の和モダンのデザインの取り入れ方は、ポラスのWebに掲載されている実例サイトが参考になりそう。土間やインテリア、外観などにプラスされた和のテイストが住まいのアクセントになっている様子がよくわかり、家づくりのヒントになることでしょう。

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