Column 住まいのコラム

Vol.12

2016年4月28日

『今年こそは家族で話そう。2016年「住まいの買いどき」』

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Vol.12

『今年こそは家族で話そう。2016年「住まいの買いどき」』

2016.1.20up

いよいよはじまる、消費税率引き上げへのカウントダウン

プランニング

 2016年が始まると、翌17年4月に行われる消費税率10%への引き上げに一歩近づいてきた感じがしますね。とくに、注文住宅を検討している人にとっては、あまりのんびり構えていられない一年になりそうです。なぜなら、一からプランニングを練っていく注文住宅では家づくりに1年近くかかることも珍しくなく、土地から探す場合にはそれ以上の時間を要することもあるためです。

次の増税へのカウントダウンがはじまる2016年は、気になる税制を含むお金のことや家族のライフプランを整理して、希望の家を得るための具体的なアクションに移る時期となるでしょう。

まずは家づくりに関わる税制をチェック

プランニング

 消費税率10%への引き上げ延長にともない、住宅ローン減税や住まい給付金の期限も2019年6月まで延長されることはすでに知られています。贈与税の非課税制度も引き続き適用されますが、こちらは時期によって非課税限度額が変動するため注意しましょう。

 住宅取得資金を親や祖父母から援助してもらう場合の贈与税の非課税限度額は、2015年まで1500万円だったところ2016年1月から9月までの期間は一時的に1200万円に抑えられます。一方で、消費税率が10%へ引き上げられる直前の2016年10月から、引き上げ後半年間は最大で3000万円まで拡充 (※2)。増税による駆け込み需要の反動減を緩和する内容となっています。

 また、非課税の適用を受けるためには贈与を受けた翌年の3月15日までに家が完成し、同日または後日すみやかに居住する必要があります。前回の増税前は駆け込み需要による工期の遅れなども見られたことから、贈与を受ける予定のある人は、早めに話を進めたほうがよいかもしれません。
※2 平成27年度国土交通省税制改正事項「住宅取得資金等に係る贈与税の非課税措置等の延長・拡充(贈与税)」

人件費や建設費など、あらゆるものに先高感

 2020年開催の東京五輪に向けた建設需要により、建築資材や人件費は上昇傾向にあります。さらに2017年4月からは、金融機関の手数料や引越し費用、家財購入費用などあらゆる経費に10%の消費税がかかり、住宅取得のトータルコストは必然的に増加していきます。

 そこで肝心なのが、今ではなく少し先の状況を想定すること。土地探しからはじめる注文住宅は完成まで1年近くかかるため、建設費や諸経費など建築を取り巻くさまざまな費用について、上昇幅を含めた資金計画が求められます。

今の超低金利をどう活かす?

格子戸が土間と庭を繋ぐ住まい

  住まいのコストを考えたとき、融資額の大きい住宅ローンの金利上昇は消費税以上に大きな影響があります。そのため、現在の超低金利を活かすための情報収集は不可欠。たとえば住宅金融支援機構のフラット35Sは、2017年1月29日まで金利の引き下げ幅が年0.3%から年0.6%に拡大されています(※3)。

 もちろん、金利だけが家づくりの判断材料ではありませんが、歴史的な低金利が続いた後の先高感に不安を抱いている人や、本気で家づくりを考えている人にとって、超のつく低金利状態を活かさない手はないでしょう。すでに触れた建設費などの高騰もあわせると、近年中に住宅取得を予定している場合には、「先送り」よりも「今」が買い時と言えそうです。
※3 「フラット35S」

超省エネ住宅も増税前がお得?

 近年普及の進む住宅の省エネルギー化。その先端を行くのがネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(以下、ZEH/ゼッチ)です。

 ZEHとは、一次エネルギー(※4)の年間消費量が、建物の高断熱化や太陽光発電システム等の創エネルギーシステムにより正味(ネット)ゼロになる住宅のこと。太陽光発電システムの稼働状況や電気、ガス、水道などの使用状況をタブレット端末などで確認できるHEMS(住宅向けエネルギー管理システム)を組み合わせた「エネルギーの見える化」も特徴です。

 国による支援事業(※5)もあり、ZEHの新築または新築住宅の購入、既存住宅の改修に対して補助金一律130万円(※6)が交付されます。2015年に実施された補助金の公募はすでに終了していますが、日本政府は2030年までにZEHを標準的な住宅にすることを目標としているため、今年度以降も補正予算次第では支援事業が継続されそうです。

 とはいえ、太陽光発電システムや家庭用蓄電池などの先進的な省エネ技術はイニシャルコストが高いことも事実。ZEH導入に関心のある人は、消費税率のさらなる引き上げによる影響が少ないうちに、補助金の実施動向もチェックしながら検討してみては。

ZEH ゼッチ


※4 石油、天然ガス、太陽エネルギーなど自然界から得られるエネルギー。住宅では空調(冷暖房)・給湯・換気・照明設備に係る一次エネルギー消費量
※5 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(平成26年度補正予算に係るもの)
※6 寒冷地特別仕様は一律150万円

年始めはこれからの住まいを考える絶好の機会

 普段は取り上げにくい、親からの住宅資金援助や贈与の話。でも、将来を見据えた家族のライフプランと一緒ならスムーズに進むかもしれません。税制や金利も重要ですが、それ以上に大切なのは家族のこれからの暮らし方。子供の誕生や入学に加えて、高齢になった親との近居や同居も家づくりの動機となり得ます。実家に家族が集まる年末年始は、皆で話しあう絶好の機会になるのではないでしょうか。その際、本コラムで紹介した住宅取得情報や希望エリアの土地価格などをチェックしておくと、話し合いのきっかけや展開に役立つはずです。

 また、1月は各住宅メーカーが住宅展示場で新春イベントなどを開催しています。注文住宅は、「コンセプトハウス」という位置づけで展示場を設けているケースも。興味が湧いたら、家族で遊びに行く感覚で展示場を訪れてみるのもよさそうです。

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