Column 住まいのコラム

Vol.20

2017年9月8日

『住宅に生じる不具合、その4割に「地盤」が関わっている!』

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Vol.20

『住宅に生じる不具合、その4割に「地盤」が関わっている!』

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建物の構造を強くするだけでは不十分なの?

建物の構造を強くするだけでは不十分なの?

 大きな地震が頻発する近年、家づくりのなかでいちばん高い関心を集めているのが「耐震性」です(※1)。住宅会社も建物の耐震性能を強化していますが、実はそれだけでは十分ではありません。近年発生した地震による建物被害や地盤事故のなかには、適切な地盤補強と改良によって防げたものも多くあったと考えられています。

 ※1 株式会社リクルート住まいカンパニー 2015年注文住宅動向・トレンド調査

建物の構造を強くするだけでは不十分なの?

 家を建てるだけでその下の地面には60トン(※2)もの荷重が常にかかり続けます。そうした事実を考えると、地盤がいかに大切か分かるのではないでしょうか。足元の地盤が脆弱ならどんなに地震に強い家でも傾いてしまいますよね。地震に見舞われなくても、普通の暮らしの中でずっと安心して暮らせる家を建てるには、地盤の調査と必要に応じた改良工事は不可欠なのです。

 ※2 木造2階建て・100m2あたり

また、家を建ててから地盤を改良するのは難しく、部分的に補強しようと思っても膨大な手間とコストがかかり現実的ではありません。だからこそ、“建てる前に”自分の土地の地盤を知ることがとても重要になってきます。今回は、ポラスの地盤調査と改良工事の例を交えながら、家づくりにおける「地盤」について考えていきます。

健康被害や資産価値の低下も。住宅の不具合の原因は地盤にあり?

“健康被害や資産価値の低下も。住宅の不具合の原因は地盤にあり?

 戸建て住宅における不具合の約40%が地盤に関係している(※3)と考えられていることをご存知でしょうか?基礎や外壁のひび割れ、床の傾きや建具の閉まりが悪くなるといった症状は、地盤の傾きで引き起こされるケースが少なくないのです。

 ※3 公益社団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター住宅相談統計年報2016(2015年度の住宅相談と紛争処理の集計・分析)

 建物の荷重に地盤が耐えられなければ地盤の沈み込みが発生します。その場合、地盤全体が均質に沈むことはほとんどなく、斜めに傾くように沈んでいくことから「不同沈下」という状態に陥ります。そうなると、水平・垂直を保っていた建物に歪みが生じ、前述のひび割れだけでなく建物の気密性が損なわれたり、亀裂部分から雨水が侵入して躯体が劣化したりさまざまな不具合が出てきます。

“健康被害や資産価値の低下も。住宅の不具合の原因は地盤にあり?

 深刻なことに、不同沈下は健康被害ももたらします。建物の歪みによるすきま風や床の傾きによってストレスを感じ、人によっては頭痛や不眠などを発症することもあるのです。

 また、不同沈下による建物の修繕費用が1000万円を超える例は珍しくありません。建物の寿命を縮め、耐震性能も著しく損なわせる不同沈下は、あなたの住まいの資産価値を大きく下げてしまうことに。だからこそ、家を建てるときには、「地盤と建物は一体」と考える必要があるのです。

実際の地盤対策はどうしたらいい?

“実際の地盤対策はどうしたらいい?

 地盤の状態を知るためにまず必須となるのが、精度の高い地盤調査です。調査方法は、鉄棒を地面に垂直に差して地盤の強度を調べるスウェーデン式サウンディング試験が一般的。しかし、この方法では土の締まり具合しかわからないため、ポラスでは土質を調べるハンドオーガー調査や地下水の有無などの確認も行っています。

 その結果、スウェーデン式サウンディング調査をベースにしていた頃と比べると、地盤改良が必要と判断される割合は全体の78%から55%程度まで低下しました。得られる情報が増えたことで、過剰な地盤改良工事を防ぐことにつながったのです。一方で、ポラスのように詳細な調査を行うところは限られているため、調査会社によって診断結果が分かれてしまうこともしばしば。事前に調査項目を聞いておくと、依頼先選びの参考になりそうです。

 加えて、地域密着の住宅会社なら事業エリアの地盤特性を把握していることも。たとえば、ポラスの場合には埼玉・千葉・東京エリアを中心に地盤調査実績53,000件を数え、エリア内の地盤特性を熟知していることが地盤調査にも役立っています。

適切な地盤改良工事で安心と豊かな住まいを手に入れよう!

 地盤調査の後は、必要に応じて適切な改良工事を行います。比較的簡易なものから大がかりな重機を用いるものまで、手間もコストも異なる施工方法がありますが、実は、強度の面では工事費による松竹梅はないのが事実。地盤の状態に合ったものを選ぶことがいちばん大事になってきます。

 実際、ポラスで家を建てた人のなかには、他社の地盤調査では得られなかった土質などの詳細データを得ることができ、地盤改良工事もややコストと手間のかかる「柱状改良」から簡易な「表層転圧」で十分な強度が得られることが判明した例も。地盤改良工事費の余剰分を、家づくりの他の部分に当てることができ、安全でより豊かな住まいを実現できたという声が届いています。

適切な地盤改良工事で安心と豊かな住まいを手に入れよう!

 これまで見てきたように、調査には精度と土質を含めた詳細データを得るスキルが。また、改良工事には調査結果の分析力と採用する工法の施工力が求められることがわかります。さらに、ポラスの場合は地盤を含めた住まいに関する研究を行う「ポラス暮し科学研究所」と、地盤調査と保証を行う「住宅品質保証地盤技術課」、地盤改良工事を担う「ジバテック」という3つの専門セクションが連携し、本当に安心できる地盤と家づくりを支えています。

 そんなポラスでは、2017年10月20日まで「体感すまいフェア」を開催中。期間中に地盤診断を申し込むと、無料で地盤診断書を発行してくれます。足元で住まいを支える地盤についてのイメージはつかみにくいかもしれません。だからこそ、建物だけでなく地盤の調査から改良まで責任をもって取り組む家づくりを体感しに、ポラスの展示場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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