“設計士”ד実際に住む社員”が本音で対談!みんなが満足する二世帯住宅とは

時代の変化に伴い、人々の住まい方も多様化しています。多様化の一つとして、二世帯住宅が注目されています。2015年8月にリアルサイズの二世帯住宅を提案したポウハウス新座アルジールフロンティアン展示場をオープンしました。この展示場の設計担当者と、実際に二世帯住宅を建てたポラスの社員に、二世帯住宅のメリットだけではなく、不安をどう解決したか、間取りや住まい方をどのように考えて住みやすい家にしたのかを具体的に語ってもらいました。

  • ポウハウス 東武設計室 橘 淳男(設計担当、技師)
    二世帯仕様の展示場「新座アルジールフロンティアン展示場」の設計担当者。
    自身も2003年に二世帯住宅を建て、妻の両親と一緒に家族で住む。
  • ポウハウス 春日部和美庵展示場 小澤 清悟(営業スタッフ)
    実家を二世帯住宅に建て替え、2015年の春から4世代、両親、祖父と一緒に家族で住む。
    完全分離型の間取り。
  • ポラス 購買部 大久保 典洋(内勤スタッフ、担当部長)
    2004年に妻の実家を二世帯住宅に建て替え、
    妻の両親と一緒に家族で住む。
    ほぼ同居型の間取り。

[1]資金面の魅力と同居の不安が混在

二世帯住宅を建てようと思ったきっかけを教えてください。

大久保
自宅の購入を考えていて、当初は二世帯住宅の選択肢はありませんでした。しかし、妻の実家が築100年近い古い家で建て替えの必要があり、妻の要望から二世帯住宅で進めることになりました。正直なところ、経済的負担を考えれば親の資金が使える魅力は大きいと思います。
小澤
私の場合、祖父母や曾祖母と一緒に住んで育ってきたので、将来は二世帯住宅で親と住むだろうと思っていました。実家は、同じ敷地内に母屋と離れがあり、結婚を機に離れをリフォームして住みましたが、建物の中を行き来できないつくりでした。一緒に住んでいるにもかかわらず、両親が出かけたことも分からない不便さやさみしさを感じていました。できれば一緒に住んでいる実感が持てる家にしたい、祖父母も元気なうちに建て替えて三世帯で一緒に住もうと、3年ほど前に私から祖父母と両親に提案しました。

橘技師は二世帯住宅としてオープンした新座アルジールフロンティアン展示場の設計をしましたが、
自身も12年前に二世帯住宅を建てられたそうですね。

私が二世帯住宅を考えた背景には、当時の仕事がとても忙しかったことがあります。子どもが小さかったので、生活面で妻に不安を与えてしまうことが心配でした。妻の親と同居すれば、妻が気を遣うことなく安心して暮らせるだろうと考えたわけです。子どもの小学校入学のタイミングで入居できるように進めました。

二世帯住宅に対する不安はありましたか?

大久保
不安はありましたね。二世帯住宅にするとしても、常に顔を合わせお互いが頑張ってコミュニケーションをとるような肩肘張ったスタイルは避けたかったからです。誰しも安らげる家に帰りたいじゃないですか。ただ、妻の両親とは生活時間帯が合わなかったので、上手く住めるだろうと思いました。私の両親は、妻の両親と二世帯で住むことを問題なく受け入れてくれました。
小澤
夫の両親と住むことに対して妻は不安だったでしょうし、私もその点は心配していました。妻とは地元が同じで結婚前からお互いの実家を行き来しており、比較的良好な関係だと捉えていました。でも、いざ生活を共にするとなると話は別です。妻の不安は私が取り除くという強い気持ちで話を進めました。

「二世帯の実態調査レポート」に見る 二世帯住宅に対する期待と不安

株式会社リブ・コンサルティングが、2014年1月に実施したインターネット調査によると、次のような傾向が見られました。

  1. どちらの世帯も約70%が満足と回答しました。

  2. 「①家族が側にいた方が安心できる」については、選んだ理由と実際に感じているメリットの割合が高くなっています。2位以下は、理由とメリットでの開きがやや大きい傾向です。

  3. ※ グラフ❶の二世帯住宅に対して不満がある人の回答
    「①気を遣って疲れそう」については、事前の不安と実際に感じているデメリットの割合が高くなっています。2位以下は、その差にやや開きがあります。

  4. ランキングの順位に違いはあるものの「キッチンを分ける」については、両世帯とも強く希望していると言えます。次いで「一人になれるスペースをつくる」となりました。

調査概要
実施時期:2014年1月 調査方法:インターネットリサーチ 調査対象:二世帯住宅を購入した親世帯の夫、妻、二世帯住宅を購入した子世帯の夫、妻
有効回答数:800件

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[2]計画の段階で希望は必ず伝える

二世帯住宅の形態と、間取りを決めるにあたり重視したことや設備面でこだわったポイント等を教えてください。

大久保
玄関、リビング、お風呂を共有したほぼ同居タイプです。基本的に立地条件ありきで、子ども部屋の数や2台分の車庫等、家族の要望を最小限にまとめ、設計担当者に依頼しました。妻に「書斎が絶対欲しい」と伝えたら、個室ではなくオープンスペースになってしまいましたが(笑)。
小澤
共有スペースである四畳半の和室を介して、2棟の建物が中で行き来できる完全分離タイプです。私自身、最初から完全分離の方が良いと考えており、妻もそれを希望していました。和室の外にはウッドデッキがあり、そこからも行き来できます。
  • 完全分離タイプで真ん中に共有スペースがある小澤邸
  • 共有ウッドデッキの様子

計画を進める上での難しさ、例えば家族と話し合う上で重視すべきこと等はありますか。

小澤
私が間に入り、できるだけ妻の要望を反映できるようにしました。逆に、両親には厳しめに話をしたつもりです。双方の要望そのままは実現できないこともあるので、調整の連続でした。家族の人間関係が分かっていて、私が全体の調整役だと自覚していましたが、やはり大変でしたね。打合わせ期間は通常より長めに取ってもらいました。また、年功序列で陽当たりの良い部屋は祖父母のために用意等、尊重する部分等を考えて進めました。
大久保
妻と義母で話し合ってくれと伝えました。後々、不平不満につながることを可能な限り排除したかったためです。ただ、妻に進捗の確認はしていました。価格と折り合いをつけながら、私自身が絶対に譲れない部分は守っていきました。自分自身のために、嫌なことはしっかり伝えておくべきだと思います。
お客様とお話していても感じますが、建てた後に本音が出てくることが多いので、いかに計画の段階で希望を話し合えるかも大切ですね。

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[3]満足する秘訣はプライバシーの確保

二世帯住宅に満足していますか?実際に住んでみて反省点等のデメリットがあれば教えてください。

(アルジールフロンティアン)1階親世帯のLDKは趣味のスペースも兼ねるつくり
大久保
良いところも悪いところもあるので、満足度は五分五分です。趣味の部屋のような完全な個人の部屋があれば良かったと思います。メリットとして義母が家事や子育てを手伝ってくれることが助かっています。子どもにとって家に人がいる、いないの違いは大きいですからね。
同感です。私は二世帯住宅に満足しています。子育てに親の手が借りられたり、逆に子世帯が重いものを運んだり、パソコン等で行う細かな手続き等を手伝ったりと、お互いが協力し合う関係になれるからです。
小澤
私も満足しています。完全分離とは言え少なくとも1日のうち1度は親の顔を見る機会があり、すごく安心できるためです。反省点を挙げるとしたら、共有スペースの広さでしょうか。もっと広ければ全員で食事ができたり、子どもが遊ぶ場所にもなったかもしれません。共有スペースが広ければそこで交われるのではないか、という気持ちはありますが、お互いのリビングを行き来している現状に不満はないですね。子どもが「ばあばの家に行ってくる」と言って、親世帯のリビングと接している共有スペースの扉を開けていく姿を見ると、子どもが交わりをつくってくれていると感じます。
(アルジールフロンティアン)2階の共有ダイニングは二世帯で食事ができるつくり
小澤さんの共有スペースは中間領域と言えます。中間領域とは、縁側や広縁、土間等、日本人特有の曖昧さのある使い方をする場所のことです。
大久保
完全分離なら相手のスペースに入らずに済むので気楽である一方、味気ないと評されるのであれば、それはつくり方の問題でしょう。小澤さんの場合は、共有スペースを設けることが家族のプラスになっているのだと思います。
(アルジールフロンティアン)2階の共有リビングはゆったり二世帯でくつろげる広さ
小澤
外のウッドデッキもそうですね。
共有スペースは意識してつくりました。四畳半の広さになってしまいましたが。
たぶん小澤さんの奥さんは、共有スペースの存在で安心感があるのだと思います。例えば、子世帯側のリビングで義両親が子どもと遊んでいて、そろそろ帰ってほしいけれど言えない等と気を遣うのでは? でも、扉一枚あればそんな気遣いは不要になります。

最後に、二世帯住宅の建築を考えている方へアドバイスをお願いします。

共通と個人の時間を過ごすことで心が豊かになり、時間的な価値が高くなると感じます。二世帯住宅であるからこそ家族で一緒に共有場所で過ごす時間と、プライベートな場所での一人の時間や奥さんとの時間が両方充実すると思います。
小澤
二世帯住宅に対する固定概念は人それぞれでしょうが、その間取りは親子関係によって変わり、つくり方によって不安を解消できると思います。私は家族を大事にできている実感が持てており、二世帯住宅にして良かったと感じています。
大久保
二世帯住宅での生活にどんな夢を抱いているかによって、アドバイスは変わってくるでしょう。実際に住んでからの不満が限りなく少なくなるよう、これから二世帯住宅を建てる上で悩んでいる人がいればアドバイスをしたいと思います。

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まとめ

  • 夫側親との二世帯住宅の場合、妻の不安は夫が全てとりのぞくという強い気持ちで。
  • 家族の人間関係が良く分かっている人が全体の調整役になる。
  • 年功序列で尊重する部分も大切に。
  • 計画の段階で嫌なことや希望はしっかり伝える。
  • 親世帯、子世帯お互いが協力し合える関係へ。(親世帯は子育ての協力、重いものやパソコン作業は子世帯で、など)
  • 家族の顔が見える、家族を大事にできている実感が安心感に繋がる。

[ポウハウス新座アルジールフロンティアン展示場]「聚(つど)いの棲家」新座の家 リアルサイズの二世帯住宅

新座アルジールフロンティアン展示場では、空間だけでなく時間の共有をプラスした「時間的な価値」に焦点を当てた二世帯住宅をご紹介しています。食事等、お互いの生活が重なる部分を時間軸としたときに、共有部分はどう交わるべきか、一つのカタチを提案しています。
 今回は、妻側の親と同居というケースを想定したプランですが、個人的な経験もふまえて設計しました。夫婦共働きが当たり前の現在は、夕食の下準備を親が手伝ってくれる等、家事に費やす時間が減り二世帯で共有する時間やスペースが増えてきます。2Fのリビング等は共有性をもたせた一方、お互いの世代がプライベートを保つため、一緒にいたいときはいられて、そうでないときは分けられるスペースを確保しました。また、3Fの寝室部分は夫婦がリラックスできるリゾート風にして、夫婦が会話できる時間が持てるようにしています。親が幸せで心が満ちている姿を見たら、子どもの心も豊かになります。ぜひ新座アルジールフロンティアン展示場に足を運び体感してください。
(ポウハウス 東武設計室 技師 橘 淳男)

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