Column 住まいのコラム

Vol.29

2019年3月8日

次世代住宅ポイントの活用で増税後の家づくりに安心を

資金・税制

増税の経過措置についてのおさらい

 今年(2019年)の10月1日に消費税増税を控え、工事期間の長い注文住宅に関しては、次のような経過措置があることをコラム内で何度かお伝えしてきました。
・2019年3月31日までに新築工事の請負契約を行った場合、引き渡しが10月1日以降になったとしても消費税は8%が適用される
・契約が2019年3月31日を過ぎても、同年9月30日までに引き渡しが完了すれば、消費税は8%が適用される
 しかし、上記を現実的に考えられる時期は限られているので、今回用意されている増税後の支援策について見ていきましょう。

増税後の住宅取得支援策をチェック!

 増税の前後には、駆け込み需要とその反動減が発生することは、過去2回の消費税増税の経験から明らかになっています。そこで政府は経済への影響をできるだけ抑えるため、車や住宅といった大型耐久消費財について、増税後の購入にメリットが出るような税制や予算措置を講じることを昨年決定しています。2019年10月以降の引き渡しを受ける住宅については、「住宅ローン減税の拡充」「すまい給付金の拡充」「次世代住宅ポイント制度の創設」の3つの施策があります。その内、今回新たに創設された「次世代住宅ポイント制度」とはどんなものなのか、簡単にご紹介したいと思います。

次世代住宅ポイント制度の目的と上限

 「次世代住宅ポイント制度」の目的は、「良質な住宅ストックの形成に資する住宅投資の喚起」を行うことにあります。長く住み続けられる質の高い住宅を増やし、ひと昔前まで建てられていた短命な住宅を減らしていこうという取り組みです。
 そこで、ポイント付与の条件として「環境」「安全・安心」「健康長寿・高齢者対応」「子育て支援・働き方改革」に寄与するものであること、という条件が設定されています。条件をクリアした住宅には、国土交通省が選定した商品と交換できるポイント(1ポイント1円相当)が付与されます。1戸あたりの発行数の上限(新築の場合)は35万ポイントとなっています。

ポイントはどんな条件で付与される?

 新築住宅へのポイント付与は、「省エネであること」「長持ちすること」「地震に強いこと」「バリアフリーであること」のいずれかに該当すれば可能になります。それぞれに明確な要件が設定されていますので、詳しいことは次世代住宅ポイント事務局のホームページからPDF資料を閲覧するか、信頼のおける住宅会社に確認してみてください。
 もし、上記のどれかが満たせない場合も、オプションポイントを利用してポイントをアップすることは可能です。オプションのひとつは「耐震性のない住宅(旧耐震基準で建てられた住宅)の建て替え」で、古い家のある場所とは別の土地に建てる場合でも適応されます。ただし、古い家を取り壊すことが条件です。もうひとつは「家事負担を軽減できる設備の設置」で、ビルトイン食洗機や浴室乾燥機などの住宅設備に対して、それぞれのポイント数が設定されています。

住宅展示場で相談して対策を練ろう

 ポイント制度には、ここに書ききれなかった複雑な決めごとや注意点も多々あるのですが、国が出している資料だけではなかなか解りにくいところもあります。他のウェブ・サイトで調べるのは手軽ですが、住宅展示場に足を運んでスタッフから直接説明を受けた方が、理解が進みやすいのでおすすめです。ポイント獲得のためにどんなことができるのか、具体的に相談してみてください。ポイントがたくさん付与される住宅は、安全で快適、長寿命など質の高い住宅。展示場はそれを実感しながら対策を相談できる、絶好の場だといえます。

※本コラムの内容は2019年2月18日時点の国土交通省HPを元に執筆しています。