Vol.43
2021年7月7日
これからの住まいは「LDK+W」 注文住宅で理想のワークスペースを
住まいが働く場になって生まれた新たな要求
政府が進めてきた「働き方改革」は、奇しくもコロナ禍に背中を押されたかたちで大きな前進を見せました。在宅勤務によって通勤に時間と体力を割く必要がなくなる一方、自宅内に働く環境を整備することを迫られ、頭を悩ませた人も多いのではないでしょうか。リビングや寝室の一画に小さな机を仮置きしただけでは、在宅勤務が常態化するにつれ不便や不満が生まれてくるのは必然でしょう。
新築する住まいにちょっとしたワークスペースを設けることは、従来は「プラスα」の要素として捉えられていましたが、いまや必要不可欠なものになりました。住まいの基本プランが「nLDK(nは個室の数を表す)」だった時代から、「nLDKW(W=ワークスペース)」が当たり前の時代になったということでしょう。
> ワークスペースの実例一覧はこちら
ひとつの場所に複数の用途を兼ねさせる
とはいえ、建築面積が限られている中で要素が増えれば、面積の取り合いが悩みのタネに。ワークスペースを個室として確保するのが厳しいケースも多いはず。解決策のひとつに、「1か所で2つの機能を兼ねる」という方法があります。例えば以下のポラスの実例では、キッチンの続き間のユーティリティスペースが、ワークスペースを兼ねています。
> 間仕切りのない『W』
また、他の部屋と同一空間のワークスペースでも、クロスの色を変えたりすることで、領域を分けることも可能です。
> アクセントカラーで区切られた『W』
以下は、階段途中の踊り場スペースを少し広くして、ワークスペースにあてた例です。間取りの固定観念を捨てるといいアイデアが浮かびます。最近の住宅は断熱性や気密性が高まっているので、こうした場所であっても冷暖房の問題が起こりにくくなっています。
> 踊り場に設けられた『W』
小さなスペースでも広く感じる工夫を
ワークスペースに十分なスペースを確保できない場合、空間に他の場所との連続性をもたせることで広がりを感じることが可能です。
以下は、スキップフロアを書斎スペースとして活用した例で、リビングと連続する空間でありながら個室的な要素も加わり、独立性と広がりを両立させることに成功しています。
> スキップフロアを活用した『W』
寝室に組み込む場合も、他の収納と奥行きをあわせてデスクや棚を造作すれば、机が出っ張って部屋を狭くすることもなく、快適です。
> 寝室の一角にある『W』
開放度合いを好みに添わせると快適に使える
適度に狭く閉ざされた場所のほうが集中できる人や、目の前に窓があったり部屋を見渡せたりする開放的な場所の方がやる気の出る人など、好みが分かれるところ。間取りを検討するときは、自分の好みを見極めて計画しましょう。
以下の2例は、いずれもダイニングのワンコーナーにワークスペースを設けた例。
1つ目は壁に囲まれたデスクが集中を誘います。
> 階段下のお籠り『W』
2つ目はデスク前に明かり取りの窓があり、閉鎖的な空間が苦手な人に向いています。
> 明るく開放的な空間にある『W』
カウンターデスクを設けて家族で共有する
吹き抜けに面した2階の廊下にスタディコーナーを設けるのも、スペースが有効に活用できていいアイデア。幅の広いデスクとあわせて背面に大きな書棚を備えれば、家族共有のワークスペースとして使えます。
> 広々カウンターで家族共有『W』
住む人のライフスタイルや好みに合わせて細やかな設計ができるのは、注文住宅だからこそ。働く場としての機能性や快適さも存分に追求し、充実した毎日を送ることが可能です。それには、設計力に長けた住宅会社選びが重要。WEBサイトに豊富な事例が掲載されているかどうかは、実績をチェックするのに有効です。しっかり情報を集めて、暮らしと仕事の快適さを両立できる家づくりを成功させましょう。
> ワークスペースの実例一覧はこちら