Column 住まいのコラム

Vol.50

2022年9月14日

お気に入りのデザインで地震にも強い家を建てるには

技術

デザインを生かす構造計算

家づくりの際、「地震に強い家にしたい」と考えるのはごく自然なこと。近年は各地で大きな地震が発生していますし、いずれ起こると言われている首都直下型地震や南海トラフ地震のリスクも気になるところです。
ですが、耐震性だけを優先すると、壁ばかりを増やして閉鎖的で単調な間取りになってしまう恐れがあります。わが家として愛せるデザイン性もきちんと表現したいものです。

 耐震のために必要な壁を配置しながらも、心地よい眺めをもたらす窓を設け、開放的な吹き抜けなどのオープンスペースを間取りに取り込むことは設計次第で十分に可能。デザイン性の高い木造住宅であっても、構造に必要な補強を施すことで高い耐震性を持たせることができるのです。
 その方法のひとつが「構造計算」。地震や台風といった自然による外力を受けた時の建物の安全性を計算することです。これによって、建物の主要構造である、柱や梁、床のほか、建物と地面をつなぐ基礎についてもその強度を計算します。
 現在の法規では、一般的な木造住宅の場合、確認申請時に構造計算の結果を提出する必要はない、ということになっています。しかし、ポラスでは供給する建物の全棟で基礎から構造まで一貫して構造計算を行い、安全性を確認しています。一棟一棟、力の伝わり方を精緻に把握し、適切な箇所に必要な部材を配置する。それがポラスの耐震へのこだわりで
す。
 「1階にビルトインガレージがほしい」「開放的な吹き抜けのリビングにしたい」…そのような夢も、構造計算による安全の裏付けを持たせることで実現可能となります。

設計段階で地震や台風の影響をシミュレーション

構造計算を実施して耐震性を確認することは、安全性とデザイン性に優れた家づくりのためには必要不可欠。ポラスでは、さらにオリジナル倒壊シミュレーションソフト「ウッド・イノベーターNEXT」で設計した建物の安全性を検証しています。
 図面データをもとにパソコン上で建物の3Dモデルを構築。そこに実際に起きた大地震と同じ揺れや負荷を加えることで、家の強度を建てる前にリアルに検証できるシステムです。これから建てようとしているわが家の間取りや構造がどのように地震に耐えるのか、どこに力が加わってどこに補強が必要なのかを前もって確かめることが可能になります。
 国が定めている「耐震等級」の計算では、本震・余震など繰り返される地震に対する強度を証明できませんが、「ウッド・イノベーターNEXT」なら複数回の揺れによる影響も検証できます。その結果、設計段階で適切に構造への補強を計画することも可能になります。

開放的な空間でも揺れに耐える構造を用意

一般的には、吹き抜けや広々としたリビング、大きく確保した窓、ビルトインガレージなどは、柱や壁の量が少なくなりやすいので、地震のときには弱点になりがちです。しかし、ポラスでは、「ウッド・イノベーターNEXT」で耐震性を検証し、必要な個所には独自に開発した耐力壁やオリジナルの接合金物を使用しています。こうした配慮により、一見、支えがないように見えるオープンな空間についても、しっかりと揺れに耐える構造を用意することが可能に。
 そのほか、加工実績日本一のプレカット工場で安定した高品質の木材を供給し、確かな知識と高い技能を持った社員大工を育成するという取り組みもおこなっています。理想のデザインや間取りのプランを、安心して末永く暮らせる耐震性を持つ住まいとして実現するためには、こうした性能の裏付け、施工性の品質確保などが重要になるのです。


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