Column 住まいのコラム

Vol.53

2023年3月10日

電気代が心配なこれからは、省エネ・創エネのZEHがおすすめ

資金・税制

エネルギー価格の高騰はまだまだ続きそう

最近「電気代が高くなった」というニュースがさかんに報道されています。オール電化の世帯では、とくに負担が大きくなっています。そして、東京電力では2023年6月から平均29.31%の値上げを経済産業省に申請。その他の大手電力会社でもさらなる電気代の値上げを予定しています。

> 東京電力:低圧の料金メニューの見直しについて

その大きな要因となっているのが、2022年初頭から始まったロシアのウクライナ侵攻です。
ロシアは天然ガスの主要な産出国ですが、この戦争によりガスを供給するパイプラインシステムが機能しなくなり、世界的に需要と供給のバランスが崩れて、価格が高騰することに。火力発電の燃料として使用されるLNG(液化天然ガス)は、石炭や石油よりもCO2排出量が少ないことから世界各国で使用されています。そのような中、天然ガスが高騰することで、発電コストも大幅に値上がりし、電気代に反映することになっているのです。

また日本では、2011年の東日本大震災をきっかけに、多くの原子力発電所が稼働を停止しています。本来、原子力発電はLNGや石油よりも少ない原料で発電できるのですが、再稼働については議論が続いており、まだ見通しが立っていません。
いまだにロシア・ウクライナ情勢は出口が見えず、エネルギー価格が下がる要素は見当たりません。電気代はしばらく値上がりの傾向が続くと思っていたほうがよさそうです。

エネルギーは自給自足できれば安心

こうした状況で注目を集めているのがZEH(ゼッチ)=Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。ZEHとは、「太陽光発電による電力創出」「省エネルギー設備の導入」「外皮の高断熱化」などにより、生活で消費するエネルギーよりも生み出すエネルギーが上回る住宅のこと。
具体的には、太陽光発電システムを搭載し、基準以上の高断熱の躯体と省エネルギー設備を合わせ持った住宅を指します。従来の一般的な仕様の住宅よりも、仕様や設備のグレードが高くなりますが、次のようなメリットがあり、トータルにみれば決して高価なものではありません。

●光熱費を削減しやすい
高断熱・高気密の躯体と省エネ性の高い設備によって、冷暖房等が効率よく機能するので、最小限のエネルギーで快適な状態で暮らせます。また、太陽光発電でつくった電気は、自分の家で使用するだけでなく、余った分を電力会社に売電することも可能。

●災害時にもエネルギーを利用できる
自然災害などで電力会社の電気が停まっても、太陽光発電の非常用コンセントから電気を利用することができます。また蓄電池や電気自動車に、太陽光の電気を貯めておくことも可能。非常時にも安心です。

●健康的に暮らせる環境を維持できる
高気密・高断熱により、外気の影響を受けにくく、換気システムも効率よく機能するので、夏涼しく冬暖かい、常に新鮮な空気の中で健康的に生活することができます。また室内は均一な温熱環境に保たれるため、急激な温度変化によって引き起こされるヒートショックなどの健康被害も予防することができます。

ZEHにはお得な補助制度もあります

ZEH住宅に対しては、2023年度は次のような補助金制度を利用することができます。

●2023年度戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業(経済産業省・国土交通省連携事業)
「ZEH」、「ZEH+」、「次世代ZEH+」、「次世代HEMS ZEH+」と性能ごとに4段階に分けて1戸あたり55万円~の補助金を支給。
> 詳しくはこちら

●LCCM住宅整備推進事業(国土交通省)
ZEHの要件を満たしたうえで、再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量が現行の省エネ基準値から25%削減、かつライフサイクル全体のCO2排出量を算定してその結果 が0以下となることが条件。1戸あたり上限140万円を支給。
> 詳しくはこちら(12ページ目)

●地域型住宅グリーン化事業(国土交通省)
中小工務店等による地域材を用いて行う新築木造戸建ての ZEHへ1戸あたり上限140万円を支給。
> 詳しくはこちら(19ページ目)

このほか、特にいま注目されている補助金制度が、2023年度から実施される「こどもエコすまい支援事業」です。この制度の目的は昨今のエネルギー価格をはじめとする物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯、若者夫婦世帯を支援して、高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する住宅の新築、省エネリフォームを促進して2050 年カーボンニュートラルの実現を目指すというもの。
「外皮がZEH基準以上であること(6地域だとUA値0.6以下)」、「1次エネルギー消費量が省エネ基準から20%削減されていること(再生可能エネルギーは除く)」が条件となっています。住宅性能表示制度で示すなら、建物に「断熱等性能等級5以上かつ1次エネルギー消費量等級6」の性能があればよいということになります。
支給される補助金の金額は、1戸あたり100万円。補助の対象となる「子育て世帯」とは、「2004年4月2日以降に生まれた18歳未満の子を有する世帯」のこと。また、「若者夫婦世帯」とは、「夫婦のいずれかが1982年4月2日以降に生まれた39歳以下の世帯(年齢はいずれも2022年4月1日時点)」を意味します。

これらの補助金は、利用条件や申請のタイミング等に細かい規定があります。利用にあたっては早い段階で住宅会社に相談したほうがいいでしょう。うまく利用すれば、高性能な住宅と自給自足できるエネルギー、健康的な生活環境をお得に手に入れることができます。

電気代は2023年10月以降にもさらに上がる可能性も

政府でも、こうしたエネルギー高騰の負担を軽減させる政策を施行中です。2022年10月に決定された「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」により、2023年1月分から家庭や企業の負担軽減のために電気・ガスの負担軽減策が始まっています。
ただし、この事業は2023年9月までの限定措置となっているため、電気代がさらに値上がりする可能性があります。事業の継続や新規補助が施行されることもあるかもしれませんが、定かではありません。
またZEHに対する補助金事業も、補助金の交付申請は、2023年3月下旬~2023年12月31日までですが、事業の予算枠を使い切ってしまえば、その時点で終了となります。補助金を利用することを検討するのであれば、早めに動くことをお勧めします。

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