Case 建築実例

R House

海外生活をご経験されているお施主様とデザイナーとで創り上げた、ラグジュアリーホテルを彷彿させる邸宅。インナーテラス(中庭)の植物がブラインドのように周辺からの視線を遮り、意匠性の高い設えが優美な室内風景を描いています。

奥行き感のある邸宅が建つのは、区画整理地内の住宅街。角地のため周辺からの視線を集めやすく、プライバシーの確保が難しい立地です。そのため、角地側に道路との緩衝空間となるインナーテラスを計画し、外部と隔離した空間を創り出しました。

インナーテラスと一体感のある、広さ30帖以上のLDK。大きな開口部を設けつつ、周辺環境と隔絶したプライベート空間を確保するために、壁とガラスに囲まれたラグジュアリーな空間を創出。木質感を纏った上質なデザインや生き生きとした植物に彩られた、優美な空間です。

リビングの床材はチーク材で、職人の手仕事によるヘリンボーン貼り仕上げとなっています。寄木細工のように一枚一枚丁寧に貼っていくため、非常に手間がかかり、大工の腕の差が顕著にあらわれます。施工会社が敬遠しがちな仕上げですが、自社大工による美しいヘリンボーン貼りの床を実現しました。

上質感に溢れるダイニングキッチンは、素材の質感と光が融合する優美な空間。キッチンは家具のような佇まいのクリナップ・セントロを使用。周囲を繊細な木目で仕上げ、あえて存在感を主張しすぎないデザインとしました。

ダイニングのカウンターテーブルは、ケヤキの無垢板。耐久性に優れており、はっきりとした木目が美しく、華やかで上品な雰囲気を醸し出しています。背面には木目が繊細なタモの柾目材で造作した、特注の食器棚をレイアウトしました。

緩衝空間として住まいのプライバシーを守り、日常に非日常を与えるインナーテラス。植物の育成や周辺からの視線など熟慮を重ね、角地側に計画しました。防犯上を鑑みて、インナーテラスの開口部にはガラスを施しています。

インナーテラスはリビングダイニングと連続した空間のため、一体感を持たせる工夫を施しました。インナーテラスの床面は、ヘリンボーン貼りの斜めを意識し、斜めを取り入れたデザインに。また、オリジナルの耐力壁を駆使した大きな開口部が特徴で、空間の一体感を際立たせています。

視線を上に向けると、植物に陽光を届ける外部吹抜けが目に入ります。北側約半分には屋根をかけ、残り半分は外に開放しました。夏の暑い直射日光が屋内に入らないようにしながら、十分な明るさと植物の育成に配慮した設計となっています。