Column 住まいのコラム

Vol.13

2016年4月29日

『建替えのタイミングで悩んだときにすべきこと』

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Vol.13

『建替えのタイミングで悩んだときにすべきこと』

2016.2.29up

“先延ばし”から抜け出すためには“行動”を

“先延ばし”から抜け出すためには“行動”を

 子世帯が引き継いだ実家の建替え、子供が独立した後の夫婦二人暮らしのための減築や子世帯との二世帯住宅、あるいは購入した中古住宅の想像以上の傷みなど。老朽化が目立ちはじめた我が家を、ライフスタイルの変化にあわせて建替えたいと思う人は多いのではないでしょうか。個々の暮らしに対応する注文住宅なら、今までの家に感じていた不満を解消し、これからを見据えた住まいを実現することができます。

不満はあっても今現在「住む家がある」と思うとなかなか行動に移せないのも事実ですが、先送りを重ねていると教育費のかかる子供の進学時期と重なったり、年齢が上がって引越しやローンの借り換えに苦労したり、建替え時期としては難しい状況となっていることが考えられます。そこで今回は、建替えを思い立ったら確認しておきたいポイントをピックアップ。「建替えたい」を実現するために、今すぐ起こせるアクションを提案します。

家族で将来のライフプランをつくってみよう

家族で将来のライフプランをつくってみよう

 まずは、家族ですぐにはじめられる『将来の計画表』づくりに取り組んでみましょう。親世帯だけが住む実家の建替えでも、今は独立して別に住んでいる子世帯のほうが近い将来の同居を希望していることも考えられます。あるいは、将来的に親の介護をどこで誰が主となって行うのかなど、これからの暮らしを見越した内容も避けることなく取り上げられるとベスト。先々の生活は家づくりの大事な要素となります。

 子育て世代の建替えなら、出産や子供の進学、親の介護や同居の可能性の有無などを漏らさず書き出します。すると、ライフイベントの多さやタイミングが具体的に見えてくるはず。子供の受験勉強や親の介護で余裕のない時期は建替えに適していないとわかっていても、その時期までどのくらい時間があるのかを意識的に確認するには、やはり計画表が有効です。また、祖父母や親から建替え資金の援助を受ける予定があれば、相続や贈与の税制度をチェックしながら具体的な時期について話を進められるといいでしょう。

消費税率アップや超低金利も建替え時の判断材料に

 建替え時を探るには、資金計画や家づくりを取り巻く環境にも目を向ける必要があります。2017年4月から消費税率が10%へ引き上げられることも、建替え時を考えるきっかけに。今年の9月末日までの契約なら、引渡しが来年4月以降になっても消費税率8%が適用されるので、今は話し合いやプランニングに多少のゆとりをもって進められるギリギリの時期だと言えそうです。

消費税率アップや超低金利も建替え時の判断材料に

 気になる資金計画については、建替えでも複数の選択肢があります。今住んでいる家のローンが残っている場合には、残債を建替え資金に上乗せする形で新たに住宅ローンを組むことが可能。昨今の長期金利に見る超低金利状態は、住宅ローンの借り換えにも有利です。また、二世帯住宅への建替えなら親子二世代型の住宅ローンが利用できます。

 注意したいのは建替えならではの必要経費。古家の解体費用や仮住まい、2回分の引越し費用は必須です。また、現在の敷地の建築条件も改めて確認を。住宅取得当時とは異なるケースも珍しくないため、事前に自治体や依頼したい住宅会社に問い合せましょう。建ぺい率や容積率が変わり今より小さな家しか建てられない、または防火地域に指定されて価格も耐火性能も高い建材を使わなくてはならない可能性もあります。

建替え時期で変わる家づくりのポイント

建替え時期で変わる家づくりのポイント

 家づくりの際に気をつけたいポイントは、建替えのタイミングによっても変わってきます。親世代が終の棲家を整えようと建替えを考えるときは、住宅費で日々の生活を圧迫しないように、コストと住まいの快適性を両立させることが重要です。できれば、建物の規模よりも長期優良住宅など超寿命や省エネ性能を重視した家を目指したいところ。日々の光熱費が削減でき、条件を満たせばさらなる住宅ローン減税や固定資産税などの優遇措置(※3)、所得税の税額控除(※4)が受けられます。そして何より、子世帯へ相続する際に価値あるものとして引き継ぐことができるでしょう。

 子育て世代なら、当面は部屋の数や広さが必要かもしれません。しかし建替え後は、経済的に何度も家に手を入れられない場合がほとんど。できれば、建替えプランには子供が独立してからの暮らしも織り込んでおきたいところです。たとえば、子供部屋の間仕切りを簡単に取り外せて、広めのシアタールームやセカンドリビングに転用できる間取りなら、住まいの可能性が広がります。

 いずれの場合も、土地の取得というハードルをクリアしているため、建物にコストや労力をかけられるはず。「とりあえず住める家」ではなく、住んで楽しく、また省エネを叶えてくれる資産価値の高い住宅を実現することもできるのです。

※3 国土交通省「認定長期優良住宅に関する税の特例」
※4 財務省「認定住宅(長期優良住宅および低炭素住宅)に係る税額控除制度

あれこれ悩むより、まずはプロに相談を

 「老後の資金を現金で残したい」「いくら融資が受けられるか」といった資金面の不安をはじめ、「家族の意見が分かれている」「家をどう変えたらいいかわからない」など、建替えの判断に悩む背景は十人十色です。そうした個別の状況に応じたアドバイスを受けるには、やはり家づくりのプロに相談するのがいちばん。その窓口として、実は住宅展示場が有用なのです。

あれこれ悩むより、まずはプロに相談を

 住宅展示場は住宅の完成形をイメージするためだけに訪れる場所ではありません。住宅会社のスタッフが住宅ローンのシミュレーションをしてくれたり、建替えへの不安や要望をヒアリングしたうえで、家族の意見をまとめる手伝いをしてくれたり。自宅で煮詰まっているよりも、建替えに関わる情報や新しい気づきが得られるはずです。

 ゴールデンウィーク前後から消費税増税前の駆け込み需要が増えるため、それに比例して住宅展示場への来場者数も増えることが予想されます。建替えへの思いを募らせているのなら、今のうちに行動を起こしたほうが、ゆとりをもって家づくりに取り組めそうです。

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