Vol.9
2015年4月8日
『消費税増税延長のいま!2015年の“住まいの買いどき”を考える』
『消費税増税延長のいま!2015年の“住まいの買いどき”を考える』
2015.04.08up
次の消費税率引き上げまでの猶予期間をどう使う?
消費税率10%への引き上げが先送りされたことで、住宅購入のタイミングをじっくり考えることができると感じている人も多いのではないでしょうか。その一方で、買いどきの判断がつきにくくなった面もあるようです。
近い将来に住宅取得を考えているのなら、次の増税までの猶予期間を有効に使いたいもの。とくに注文住宅はこだわりが反映できる分、実現するまでにある程度の時間を要します。マイホームを夢見るだけではなく、気になる税制やお金のこと、家族のライフプランをチェックして、自分に合った「買いどき」を知るためのアクションを起こしましょう。
家づくりを取り巻く税制をチェック!
消費税率10%への引き上げが2017年4月に延長されました。それにともない、住宅ローン減税や住まい給付金の期限も2019年6月まで延長されることに。住宅価格にかかる消費税額は大きいため、“延長”は家づくりを検討している人にとっては朗報です。
そのほか、贈与税の非課税制度も要チェック。住宅取得資金を親や祖父母から援助してもらう場合、昨年末までとされていた贈与税の非課税措置が2019年6月まで延長されます。非課税限度額を段階的に調整し、2015年は最大1,500万円に。消費税率10%へ引き上げ直前の2016年10月から引き上げ後半年間は、最大で3,000万円まで拡充していくというもの。相当額の贈与を受ける予定のある人は、制度適用のスケジュールに留意しましょう。
注意したいのは、消費税率引き上げ前の2016年1月から9月までの期間。増税前の駆け込み需要を抑えるため、非課税限度額を一時的に下げる内容となっています。次の消費税率引き上げまでの期間、場合によっては駆け込み需要の調整が行われる前に住宅取得資金の贈与を受けるなど、家づくりの下準備を進めたほうがよさそうです。
→ 税制等を分かりやすくご紹介!マンガで分かる「2015年 今ならお得なマイホーム支援制度」
超省エネ住宅は今が建てどき?
税制以外の家づくり環境も気になるところ。近年普及の進む住宅の省エネルギー化。その進化系ともいうべきネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(以下、ZEH/ゼッチ)支援事業が国の予算で行われています。
→ ※ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(平成26年度補正予算に係るもの)
ZEHとは、一次エネルギー(※1)の年間消費量が、建物の高断熱化や太陽光発電システム等の創エネルギーシステム導入で正味(ネット)ゼロになる住宅のこと。太陽光発電システムの稼働状況や電気、ガス、水道などの使用状況をタブレット端末などで確認できるHEMS(住宅向けエネルギー管理システム)を組み合わせて、「エネルギーの見える化」も進めています。
支援事業では、ZEHの新築または新築住宅の購入、既存住宅の改修に対して補助金一律130万円(※寒冷地特別仕様は一律150万円)を交付。補助金の公募は、2015年3月20日から4月20日までの一次分がすでにはじまっています。二次公募は5月中旬から6月中旬。三次公募は7月中旬から8月中旬の予定です。
日本政府は、2030年までにZEHを標準的な住宅にすることを目標としているため、今後も国の予算がつけば継続される方向です。しかし、創エネルギーシステムや家庭用の蓄電池など、先進的な省エネ技術の導入にはイニシャルコストがかかることも事実。感心のある人は、消費税率のさらなる引き上げによる影響が少ないうちに、ZEHを検討してみる価値がありそうです。
※1 石油、天然ガス、太陽エネルギーなど自然界から得られるエネルギー。住宅では空調(冷暖房)・給湯・換気・照明設備に係る一次エネルギー消費量
建設費や地価、諸経費などのコストが上昇傾向に
復興工事や2020年開催の東京五輪に向けた建設需要により、建材や人件費は上昇傾向。円安も加わり、エネルギーコストや輸入資材の値段も上がっています。また、土地価格も都市部を中心に上昇が継続しています。
2017年4月からは、金融機関の手数料や引越し費用、家財購入費用などあらゆる経費に10%の消費税がかかることに。賃金アップが期待できなければ、住宅取得のトータルコストに対する負担感は今後さらに増しそうです。
土地探しからはじまる注文住宅は、今日決断して明日手に入るわけではありません。そのため、建設費や諸経費については、計画時より少し先の状況を想定することが肝心。建築を取り巻くあらゆる費用の上昇が予想される場合は、家づくりを思い立った“今”が、必然的にベストな買いどき「価格」となりそうです。
超低金利というプラスの要因も
現在の住宅ローン金利は最低水準を更新し続けている状況。4月からは、住宅金融支援機構のフラット35Sの金利引き下げ幅が、年0.3%から年0.6%に拡大されています。超低金利は、住宅ローンの利用者にとってはもちろんプラス要素。本気で家づくりを考えるのなら、歴史的な低金利状態を逃す手はなさそうです。
ポラスでは、年間4,000件近いローンを扱うプロフェッショナル集団『ローンコンシェルジュ』(右写真)が対応。具体的な契約前でも資金計画の相談に応じてくれます。
ライフプランを考えることからはじめよう
どんなに税制や補助金、金利の動向などに注意を払っても、自分たち家族のライフプランが見えていなければ、買い時の判断はできません。子供の誕生や入学に加えて、これからは高齢になった親との近居や同居も、家づくりの動機となり得ます。
「そろそろ家が欲しい」と思ったら、あれこれ悩むよりもまずは本コラムで紹介した住宅取得情報や、希望エリアの土地価格などをチェックしてみては。そして何より、家族で話し合いながらライフプランを立てることが大事。その際、住宅メーカーや住宅設計事務所などのプロの意見を求めてみるのもよいでしょう。住宅ローンの組み方や子供の成長と独立後まで見据えた住まい方など、具体的なアドバイスから自分に合った「買いどき」のヒントが得られるはずです。